環境設備の”光の単位”と公式の覚え方

環境設備の”光の単位”と公式の覚え方

光の単位と関係性の覚え方

一級建築士を受験する人の中で環境設備は苦手意識を持つ方は多いと思います。
理由としては、数値でしか判断できなかったり、概念の話だったり、
具体的なイメージができないため、覚えるのが苦手だと思います。
今回はその覚え方のコツを覚えましょう。
以前の記事で「一級建築士学科試験 勉強法」という記事の中で、
”図や概念を丸暗記”と書きました。
環境設備で”光”や”音”や”熱”といった目に見えない概念のような話は
すべてこの”図や概念を丸暗記”するに尽きます。
正確に言えば、図は丸暗記で、概念は頭で理解するほうが
より効果的に覚えれると思います。
はずは、その第一弾ということで、
”光の単位”とその関係性について解説していきます。

光の単位について

光の単位は、本当の丸暗記です。
ただし、光の単位だけ丸暗記するのではなく、
”光の単位””その構図”を覚えることが重要になります。
まずは、光の単位を覚えた後に、
それらの関係性を示す”構図”を覚えることで、
効果的に覚えることができます。
ちなみに、この”光の単位”は2年に1回程度はでてくる問題なので、
資格学校へ通っている方はほぼ100%覚えていなければならないポイントです。

光の単位

光の単位は”5つ”あります。
それぞれの特徴を覚えることで、頭に入りやすくなります。
① 光束 :標準比視覚感度で補正した単位当たりの光の放射エネルギー量[lm(ルーメン)
      →簡単にいうと、光の強さです。

② 照度 :受照面に入射する単位面積あたりの光束[lx(ルクス) または lm/㎡
      →①の光束を㎡で割ったもの。つまり、lm/㎡=lx
      1㎡あたりにどのくらいの光が当たっているかを測るものが照度 Eです。
③ 光束発散度 :ある面から出射する単位面積あたりの光束[rlx(ラドルクス) またはlm/㎡
      →物体が光を受けた後、その物体が光って他の物体に影響を与える度合いです。
④ 光度 :点光源から特定の方向に出射する単位立体角当たりの光束[cd(カンデラ)またはlm/sr
      →光束を”立体角”で除します。
⑤ 輝度 :ある面から特定の方向に出射する単位面積当たりの光度[cd/㎡またはlm/(㎡・sr)
      →人が光を見た時の光の強さ。”人が見たとき”なので、”面積と立体角を乗じたもの”を除します。

まずは、この①~⑤をすべて覚えてください。
特に覚える必要があるところは、太字と赤・黄マーカーを引いています。
赤マーカーは、後程の表(図-〇)を覚えるのに必要です。
黄マーカーは、単位と次図(図-1)を一緒に覚えると非常に覚えやすいです。
これらを覚える必要がある理由は、光の単位は、環境では基本中の基本です。
構造で例えるなら、「たわみの公式」と同じぐらい大事です。
絶対に覚えてください。

図-1

この図-1と光の単位の話はセットで覚えましょう!
①~⑤だけ覚えても、意味が良くわからないと思いますので、
こういった絵と一緒に覚えると非常に覚えやすいです。
例えば、②の照度は、受照面にどれくらいの光束(lm)が当たっているかを示すものです。
この図-1の照度のところを見れば、一目瞭然でその意味・内容がわかると思います。
光の単位は、言葉だけでは覚えにくいので、絵を見てイメージして覚えましょう。

光の単位の相互の関係性の覚え方

①関係性の概要

”光の単位について”では、光の単位のそれぞれの内容や特徴について学習しました。
次は、それらの「関係性」について解説していきます。
この関係性は、それぞれの単位と計算式を用いて、お互いの単位の数値を求めます。
いわゆる「み・は・じ」のようなものです。
これらの関係性の構図を”書いて覚える”ことができれば、非常に有効に活用できます。
覚えても覚えても何度もこの構図を書きました。
これを実際に試験開始と同時に問題があるなし関係なく書き出すことで、
どんな問題が出ても対応することができました。

②構図の書き方の手順

まずは、光束・光度・照度・輝度・光束発散度のすべての構図を書き出します。(図-2)

この図-2が書けたら、次は、公式を書いていきます。
公式は、6つありますが、4つ覚えれば、残りの2つは自動的に書けます。
先ほど書いた図-2の中に、下記公式を書き足してください。(図-3)
・E=I/R二乗
・L=(ρ/π)E
・L=(τ/π)E
・M=πL
・M=ρE
・M=τE
※ρは反射率、τは透過率です。両者はどちらも同じ公式です。
※Mは光束発散度、Lは輝度、Eは照度、Iは光度です。Fはできますが、公式にはありません。
※Rは光源からの距離です。

図-3

まずは、この図を書きます。
そして、I=光度、E=照度、F=光束、L=輝度、M=光束発散度を思い出しましょう。
この図を書けたら、この後にそれぞれの公式を書いていきます。(図-4)

図-4

例えば、左のIとEの間に赤文字で公式を書きましたが、
このIとEを用いて、照度を求めることができたり、この式を変更して、光度を求めることもできます。
それぞれの関係性の間に公式を書くことで、その両者の記号を用いた公式を覚えやすくなります。
この図を書いて覚えることができれば、問題を見るだけで簡単に解くことができますし、
試験が始まったと同時にこういった図を書きだすことで、忘れることを防止できます。

③あとは繰り返し”書く”

この図を書くことができたら、あとは覚えるまで”書く”だけです。
何回か書いて覚えるだけでなく、一日1回必ず書きます。
書くのが面倒だと思う人は、本当にラフでいいです。
大切なことは、毎日書くことです。
一度覚えても、試験まで何カ月とあるので、絶対に忘れます。
覚え続ける為に、絶対に毎日書きましょう。
私は、図-5のように裏紙に毎日昼休みに覚えている公式や図を書いていました。
ラフで書いていたので、全部で30分ぐらいで書き出すことができました。
基本的には、計画・設備・構造・施工の4つの分野の公式や図を
こういった形で書き出して覚えていきました。
最終的に、ラフに書いていても、覚えている図を書きだすだけで
A4で3枚ぐらいになりました。
こういった”習慣作り”を大切にしていきましょう。

一級建築士試験に合格するために:習慣・繰り返しを大切にする

こういった私のやり方は、あくまで色々な方法があるなかの一つです。
一度やってみていいと思う人もいれば、分かりにくい人もいるかと思います。
私が合格するためにやってきたこと以外でも共通する大切なことが一つあります。
それは、”習慣を作る”ということです。
例えば、”1日3時間勉強する”や、”昼休みの30分は勉強する”や
このように、”毎日図を書いて覚えている公式を書きだす”でも良いです。
とにかく、毎日づづけることができる合格するための努力を行いましょう。
楽して合格する試験なら、こんなに苦労はしません。
努力は惜しまずにしましょう。
塵も積もれば山となります。
小さな努力をたくさん重ねて合格を取りに行きましょう!