3Dソリッドとサーフェースの違い(AutoCAD)

3Dソリッドとサーフェースの違い(AutoCAD)

2021-01-21

3Dソリッドとサーフェースは決定的に違う!

AutoCADには、いろいろなモデリングの種類があります、
ソリッドや、サーフェース、NURBS etc…
また、モデリングする方法によって、ロフトやサーフェスによるものもあります。

それぞれのモデリングの種類を使ってレンダリングをした場合、
全部結果は同じになると思っていませんか?
残念ながら、それは間違っています。
モデリングの種類による違いはあります。それは「ソリッド」と「サーフェス」です。
これを間違うと、正しくマッピングされなかったり、ガラスや水といった
マテリアルが全く機能しなくなったりします。
なぜ機能しなくなるのかをこれから説明していきます。

マッピングによる違い(全ソフト共通)

法線の概念

マッピングによる違いを説明するために、「法線」という概念を知る必要があります。
「法線」とは英語だと「normal」になります。
法線とは、簡潔に言うと「面の向き」です。
オブジェクトには必ず「向き」があります。その向きを正しく作らないと
マテリアルを割り当てるときにうまく機能しないときがあります。
モデリングをしているときは全然意識していませんが、
レンダリングするときには「法線」が非常に重要な役割になります。

法線(面の向き)とは

法線は面の向きです。表と裏があります。
通常、サーフェスにマッピングをすると全部そのテクスチャーになるということではありません。
法線の裏側はマッピングの裏側になります。
マッピングされたサーフェスをレンダリングすると、凹凸も反転されますし
テクスチャーの明るさ等も違います。
正しいマッピングをする際は、必ず表と裏を気にしなければなりません。

一方、3Dソリッドは、閉じられたモデリングです。
ソリッドには必ず内と外があります。
そのため、内側が外側がとなります。
ソリッドでモデリングすると、必然的に法線が表を向くので、何も考えずにマッピングすればよいのです。

サーフェースの面の向きの決まり事

サーフェースの向きはどのように決まるかをみていきましょう。
実は、サーフェースの作り方サーフェスの向きが決まります。
手書きで図面を書くとき、右から左へ線を引きますよね。下から上へ引きますよね。
それと同じなのです。右から左、下から上へCADで作図した場合は、上面が法線の表となります。
反対から書くと、下面が表となります。ロフトも選択した順番で決まります。
やむを得ずサーフェースでモデリングをする場合は、法線の向きを気にしながら確認しましょう。

ちなみに、AutoCADで面の向きを確認する場合は「offsetsrf」とコマンドを打ち、
オフセットする向きを選択する画面になったときに、法線の向きがわかります。

オブジェクトによる違い(全ソフト共通)

サーフェースと3Dソリッドのもう一つの違いは、オブジェクトにあります。
ソリッドには厚みがありますが、サーフェスには厚みがありません。
(厳密には、ソリッドにも厚みはありませんが、ソリッドには内と外があるので、内の部分が”厚み”に該当します)
この違いです。これは、非常に重要です。

ガラスや水等、透明あるいは半透明なマテリアルを割り当てる場合、
「屈折」が生じます。その屈折は、厚みがあってこそ、屈折をします。
しかし、サーフェスの場合は厚みがないので、屈折が起きません。
従って、レンダリングをすると、ほぼ確実にエラーが生じます。

ここではソリッド(AutoCAD用語)で解説していますが、3dsmaxではポリゴンがこれに該当します。
サーフェスでもソリッドと同様な形状を構成すれば、屈折は正しくなります。

屈折は、光が面に対して「表から裏→裏から表」になった時に初めて屈折します。
それがソリッドであれば問題ありませんが、
サーフェスの場合、表から裏しかできないので、変な屈折になってしまうのです。(図-1)

図-1

まとめ

筆者はほぼ99%ソリッドでモデリングします。
opacityを使うところ以外はすべてソリッドです。
opacityはサーフェースを使います。それは、
opacityは面をくり抜くので、ソリッドだと2面をくり抜く形になるので、
都合が悪いです。poacityについてもおいおい記事を書いていきます。

もう一度言います。
AutoCADでモデリングするときは99%ソリッドです。
覚えておいて損はないと思います。
綺麗なレンダリングになるように心がけていきましょう。

3Dソリッドとサーフェースの違いを説明した
youtube動画も載せています。
どうぞご覧ください。

ソリッドとサーフェースの違い