目次
Vrayのレンダリング時間削減方法
レンダリング時間を短縮するのは、
CGをするすべての人にとっての課題だと思います。
レンダリング時間がかかる理由は多岐に渡ります。
これからいくつかレンダリング時間を削減する方法を紹介しますが、
それを実践するだけで大幅に時間短縮できるかと言えば、
そうではありません。
物理的なレンダリング時間短縮を除いては、
大幅な時間短縮にはなりませんが、
こつこつやれば、それなりにレンダリング時間は改善されます。
パソコンの性能による時間短縮
これが一番手っ取り早い方法です。
CPUの性能を倍にすれば、レンダリング時間は半分になります。
コストはかかりますが、一番効果的なレンダリング時間短縮です。
ポリゴン数の削減による時間短縮
ポリゴン数でも若干レンダリング時間に影響します。
ただ、影響は微々たるものですが
筆者はこのポリゴン数を常に意識してモデリングしています。
できる限り少なくなるようにモデリングします。
ライトの削減による時間短縮
ライトを減らすことによって、レンダリング時間の短縮につながります。
照明はレンダリング時間を大幅に長くするので、
シャッタースピードや全体的な明るさで回避できる場合は回避した方がいいときもあります。
もちろん、照明によるCGの効果も必要なので、いいバランスで
明るさと照明の関係を考慮する必要があります。
金属マテリアルを減らすことによる時間短縮
金属マテリアルを減らすことで、若干レンダリング時間が早くなります。
実は、特に長くなりやすいのが、金属のマテリアルでmetalnessを1にした場合、
レンダリング時間が長くなります。
そして、metalnessが1の場合で、さらにglossinessの数値を下げていくと
レンダリング時間が長くなります。
さらに、その金属マテリアル(metalnessが1)の面積が
多ければ多いほど、レンダリング時間が増加します。
デザイン上やむを得ない場合が多いですが、
金属マテリアルの使いどころをしっかりと抑えましょう。
レンダリングサイズを下げることによる時間短縮
これは、言わずもがなです。
筆者が務めている会社では、
A1サイズでのレンダリングが標準です。
ただし、時間がないプロジェクトはA2サイズにしたりします。
ただ、A3サイズで提出のCGに対して、
A3でレンダリングすることはほぼありません。
サンプル数を減らすことによる時間短縮
サンプル数を減らすことで、レンダリング時間が短縮できます。
以前の記事で「Vrayのノイズ軽減! -マテリアルとの関係性-」
でノイズの軽減についてお話した際にでてきたimage samplerです。
このサンプル数の数値を小さくすることで、
レンダリング時間を短縮することができます。
もちろん、数値を下げるとレンダリング品質も低下するので、
一番良いレンダリング結果になるように設定する必要があります。
イラディアンスマップのモードを下げることによる時間短縮
irradiance mapのモードをvery lowにすることで、
レンダリング時間を短縮することができます。
ただし、very lowだと黒いモヤモヤが出やすくなるので、
黒いモヤモヤがでないように調整する必要が出てきます。
黒いモヤモヤ対策として、irradiance mapのモード以外にも
CG全体を明るくするという方法がありますが、あまりお勧めはしません。
テストレンダリングであれば、irradiance mapはvery lowで問題ないでしょう。
ディスプレイスメントマップによる時間短縮
場合によっては、ディスプレイスメントマップを
使用している人もいるかもしれません。
筆者の場合、実際に地形にディスプレイスメントを使用することもありました。
ただ、ディスプレイスメントマップは基本的にレンダリング時に
オブジェクトの形状に凹凸を付ける技術なので、
もちろんレンダリング時間が遅くなります。
必要ないのであれば、ディスプレイスメントマップは
使用を控えるほうが良いです。
レンダリング時間に大きく影響してきます。
レンダリングの使い分けによる時間短縮
先ほどもサンプルの話をしましたが、
テストレンダリングの際は、そこまで解像度を上げなくても良いし、
サンプル数も少なくて良いし、irradiance mapもvery lowで良いです。
いきなりレンダリングをする際に高解像度でレンダリングをしても
効率が良くありません。
基本的には、まずは一番低い設定(解像度が悪い設定)から始めて、
徐々に設定を良くしていき、一番良質な結果の時点で、
設定をそこで止めたほうが一番効率が良いです。
まずはどの設定も一番下、もしくはデフォルトからスタートしましょう。
レンダリングが長いと思ったら?
レンダリングが長いと感じたら、確認することがあります。
もちろん、基本的には上記の内容の確認なのですが、
筆者がいつも行っている順番をご紹介します。
①image samplerの確認
まずは、イメージサンプラーを確認します。
レンダリング時間がかかる要因としては、
このimage samplerが最も大きいからです。
もちろん、この時に、ノイズを軽減させることが必要かどうかも
含めてこのimage samplerの数値を再度見直します。
②irradiance map のモードの確認
これも最初に確認します。
ただ、レンダリングエンジンにirradiance mapを使っている場合に限ります。
③ライトの有無の確認
レンダリング時間が非常にかかる要因として、
夜のシーンが挙げられます。
夜のシーンは必然的にライトが多くなるので、
ライトが多いほどレンダリング時間が長くなります。
また、レンダリング画面には映っていない部分のライトを
表示させても、レンダリング時間が長くなるので、
不必要なライトはオフにすることをお勧めします。
④金属マテリアルの有無の確認
金属マテリアル(metalness1)は特に
それが占める割合がレンダリング時間に大きく影響してくるので、
場合によってはmetalnessを0にして疑似金属にして
レンダリングすることも稀にあります。
昔、天井面がすべて金属だった時は、レンダリング時間がとても長くなりました。
これらが筆者がレンダリング時間が長いと思ったときに確認する項目になります。
ただ、レンダリング時間が長くなる理由は多岐に渡るので、
これらをチェックしても改善されないこともあります。
それでもこれらを、一つの指標として考慮してもらえたら幸いです。
まとめ
簡単ですが、レンダリング時間の短縮のtipsをまとめました。
言葉だけで非常に申し訳ないですが、
ただ、レンダリング時間短縮の方法はいくつも存在することを認識してほしいです。
そして、レンダリング時間がかかる要因はいくつも存在することを認識しましょう。