今年の締めくくり:筆者のこと

今年の締めくくり:筆者のこと

2021-12-25

事前に。。。

50記事を達成したら、たまには雑談の記事も書こうと思っていました。
ブログを始めてもうすぐ1年が経とうとしています。
本当はブログを始めて3か月後には100記事を達成するつもりだったのですが、
私の怠慢のせいで1年経っても目標の半分しかいっていません。
読者の方々にはご迷惑をおかけしております。

そして、たまにはこういった雑談的な記事を書こうかなと思います。
機能や技術の紹介ではなく申し訳ございません。
ただ、このブログを書いている筆者本人についても
みなさんにはある程度認識していただきたいので、
今回は、私のことについてと、このブログのことについて
簡単にご紹介させていただきます。

ブログの実情

たまには私のブログの紹介もしたいと思います。
ここ最近では、一日あたり平均で50人以上は見にきていただいております。
大変ありがたいことです。
最初の3カ月は毎日0人でした。
建築CGパース.comに応募したことから少しづつ読者が増え、
ツイッターでもツイートしてくださった方もいらっしゃいました。
contactからCGの質問を頂いた方もいました。
おかげ様で、筆者はまだ執筆を続けることができております。
本当に感謝です。
最初は、自分の知識を誰かの役に立てたいという思いから始めたブログでした。
今では極少数ですが、少しながらお役に立てていると思います。
非常に光栄です。

広告については、本当は広告は無しにしたいのですが、
ブログの維持費ぐらいは稼ぎたいので、広告は出しています。
少し見にくくなるのは申し訳ございませんが、ご容赦ください。

パース屋と筆者の違い

このブログを開設しているからには、私自身がパース屋でないといけないのですが、
実は、私はパース屋ではありません。
本業は建築設計です。普通に実施図も書いたこともあります。
ただ、私が勤めている事務所が意匠設計の事務所であり、
私がプレゼンテーションの全般を担当することが多いため、
建築CGパース作成が必然的に得意となってしましました。(CGパース作るのはかなり好きです)
最近では、ほとんどCGパースしか作成しません。

ただ、普通のパース屋さんと違うのは、
デザインのスタディも設計担当者が行うことです。
私はCGパースの作成に特化するのではなく、
いかに建築の良さをCGで表現するかを常に考えています。
つまりコンセプトを持ったCGの作成です。
コンセプトを生かすためのCGを作っているので、
単純に家具を置いたり、サッシ割りにしても、コンセプトをもって行います。
そこが普通のパース屋さんと異なるところです。
昔はよくボスに「しょうもない家具を置くな!」と怒られていました。
その経験から家具選びはものすごく慎重になりました。

もう一つあるのですが、それはスタディをすることです。
モデリングは一回すればあとは修正で済むかもしれませんが、
スタディは何案も作成する場合があります。
柄だけでも何パターンも作成することもあります。
効率化を行ったモデリングを行うことも筆者が行う業務の一つです。
その中で重宝するのがライノセラスのプラグインのグラスホッパーです。
職場で筆者のボスからかなり無理難題のモデリングが要求されることがあります。
そういった通常では作成し得ないモデリングはAutoCADだけでなく、
ライノセラスのグラスホッパーも使います。
ちなみに、図面を書くのも筆者ですし、CGを作るのも筆者ですし、ダイアグラムを作るのも筆者です。
もちろんボスはいますが、基本的には私一人で設計からプレゼンまですべて完結します。

このサイトでいろいろ説明したいですが、グラスホッパーは3dsmaxやvrayとは異なる難しさなので、
一概にサイトを通して説明するのが難しいので、今は行っておりません。(今後掲載する予定はしております。)
そういった難易度の高いモデリング技術があるのも筆者の特徴と言えます。

普通なことだけど革命的な技術開発 10の技術革新

筆者は今の職場に勤めて6年目になります。
最初の3年間は先輩にCGがものすごく上手な人がいて、
その人がCGパース作成をリードしていました。
ただ、私が入社したときもCGのクオリティは高かったですが、技術はローテックなものでした。
もちろん先輩からCGについてものすごくたくさんのことを学びました。
ただ、その先輩が職場を辞め、私がCGパースをリードしていく人になりました。
(指名されたわけではなく空気的にそんな感じになっています。)

そこで、ローテックな技術を筆者がハイテック(高効率)に変えていくことにしました。
筆者は設計者でありモデリングでスタディもするので、効率化を図ることはどうしても必要だったのです。
そうして、入社して3年目以降は、そういった技術革新をしてきました。

①技術革新その1:複数台のレンダリングパソコンの共有フォルダ作成

 筆者が勤めているところは、6台のレンダリングPCがあり、CGパース作成が必要な時に
 それぞれの担当者が使用していきます。もちろん複数人でプロジェクトを担当することもあり、
 データ共有は必須でしたが、昔はPCを移動したりデータを移動したりするときは、
 USBでデータを丸ごと違うPCに持っていくことを普通にしていました。
 時にはデータ容量が大きくUSBに入りきらない場合もありました。
 それでは非効率なので、筆者が行ったことは
 すべてのPCからアクセスできる共有フォルダを作成することでした。
 共有フォルダを作成することによって、データのやり取りがスムーズになり、
 非常に効率的に作業ができるようになりました。
 ちなみに、筆者の会社はネットワークレンダリングを使用していません。
 共有フォルダがあるので、共有フォルダに共通のマップフォルダを作っているので、
 どのパソコンからどの3dsmaxデータを開いても同じようにレンダリングできます。
 故に、ネットワークレンダリングは不要です。

②技術革新その2:スレートマテリアルの導入

 筆者の勤めている会社は、最初は3dsmax 9を使用していました。
 入社して1年後に3dsmax9から3dsmax2015に切り替わりました。
 3dsmax9の時はコンパクトマテリアルしかなかったので、それを使用していましたが、
 3dsmax2015に移行してからもコンパクトマテリアルを使用し続けていました。
 もちろん、昔から使用している人は慣れていますが、新しい機能をどんどん使用しないと
 もったいないし技術が進歩しないので、全員一斉にスレートマテリアルに移行をしました。

③技術革新その3:HDRIの導入

 私がCGパースを引っ張っていく前までは、レンダリングの空はVraySkyをそのまま使用していました。
 昔の地平線がグレーで空が淡いブルーのデフォルトのままです。
 筆者がHDRI技術を研究して導入した結果、空の反射を有効に活用できるCGができるようになりました。
 それ以来、HDRIは必ず使用するようになりました。

④技術革新その4:バッチレンダリングの採用


 昔は複数枚のアングルがある場合は、
 レンダリングが終わる度に次のレンダリングボタンを押していました。
 それはものすごく非効率です。筆者も当時は薄々気づいてはいましたが、
 それが正解なのだと思っていました。
 しかし、同僚がバッチレンダリングという機能を発見し、
 教えてもらい、今では欠かすことのできない機能の一つです。
 筆者も1回のプレゼンテーションで必ず複数枚のアングルを取るので、とても助かっています。

⑤技術革新その5:バッチレンダリング × シーンステート

 シーンステートはまだこのサイトで話したことはありませんが、
 夕景と昼景でアングルが異なる場合、わざわざ太陽の向きやライトのon/off、オブジェクトの表示/非表示など
 設定しなければならなくなり、バッチレンダリングの意味があまりありません。
 その時にシーンステートという機能を発見しました。
 簡単に言えば、昼景なら昼景、夕景なら夕景のシーンのまま状態を保存でき、
 バッチレンダリングをする際のその状態に戻して自動的にバッチしてくれる機能です。
 少しややこしい機能ではあるのですが、使い慣れると非常に便利です。

⑥技術革新その6:水の表現の強化

 3dsmax(Vray)で水の表現は可能ですが、どれも良くないと思ったことはありませんか?
 筆者はその水の表現を1年程度ずっと研究してきました。
 その結果、去年の年末に最高の水の表現をVrayで表現することができるようになりました。
 これは、本当に苦労のたまものです。
 水の表現方法はいくつかあるのですが、筆者が今までCGで作った水の中で最もクオリティが高いです。
 水の表現としては本当にほぼ100点満点です。
 いつかはこのサイトでお伝えはしますが、答えを知る前に、一度自分で水の表現を模索してみてください。
 ちなみに、マテリアルの基本知識がなければこの水の表現はできません。
 このブログでVray Mtlの基本を学んでください(笑)

⑦技術革新その7:グラスホッパーの導入

 筆者の勤めている会社の社長は建築家です。
 要望がいつも無理難題で設計スタッフは命がけでその要望に応えます。
 もちろんモデリングでいろいろと検討するのですが、
 AutoCADは自由曲線に弱いので、そういった課題が出されたときはお手上げです。
 他にもパラメトリックなデザインはAutoCADでは向いていません。
 そこで、グラスホッパーの出番です。これを習得することで、一気にモデリングの
 できる幅が広がりました。
 ちなみに、筆者のグラスホッパーの勉強方法は先生と呼ばれる方に授業をしていただきました(もちろん有料)

⑧技術革新その8:AutoCADと3dsmaxのリンク機能

 昔は、モデリングの修正があった場合は、AutoCADで修正したレイヤーのみ表示して3dsmaxに読み込み、
 昔のレイヤーを削除して、またマテリアルを割り当てなおすという作業をしていました。
 しかし、AutoCADのリンク機能を使うことによって、修正を含めたデータ全部を再ロードするだけで、
 マテリアルを再設定せずに修正をすることができるようになりました。
 さらに、これの応用も考え、3dsmaxのデータのフォーマット化にも成功しました。
 以前は3dsmax内で直接修正することも多かったのですが、リンク機能を使用した方が
 確実に速いと理解でき、今ではそれが標準となりました。

⑨技術革新その9:VFBの導入

 私が今の会社に勤め始めていたころは、VFB(Vray Frame Buffer)は使われていませんでした。
 私の先輩がいなくなるまでは使っていません。
 それでも問題なかったのですが、VFBを使ってからは非常に便利になりました。
 レンダリングをし始める場所を考慮できたり、一度レンダリングした画像が保存できたり、
 レンダリング時間がすぐに確認できたり、以前のレンダリング画像と比較できたりと、
 いいこと尽くめでした。
 今では、VFBを使わずにレンダリングをすることはなくなりました。
 便利なものは率先して使っていくのが良いかと思います。

⑩技術革新その10:フォレストパックの技術開発

 このサイトでもフォレストパックの機能をいくつかご紹介していますが、
 このフォレストパックのおかげでものすごく効率よく作業ができるようになりました。
 筆者が今の会社に入社して、フォレストパックを使い始めたときは、
 フォレストパックの植栽しか配置していませんでした。
 4年が過ぎたある日、植栽以外にランダム配置ができないかを考えたときに
 試行錯誤し始めて植栽以外のフォレストパック化に成功しました。
 それ以来、様々なもののフォレストパック化を行い効率化してきました。
 人や車のみならず、建築で使用する竹や、装飾等もフォレストパック化が可能です。
 オフィスで言うと家具を簡単に1万個配置することも可能です。
 そういった素材の開発だけでなく、配置方法の開発も行いました。
 ランダムだけでなく任意の配置や、オリジナルの柄による配置等
 フォレストパックの機能で受けた恩恵は今思えば計り知れません。
 筆者の経験を元に、他の人にもっとフォレストパックの便利さを知ってほしいを思っています。

今年の締めくくり2021

今年は、たくさんの記事を見ていただきありがとうございました。
少しでもみなさんのお役に立てることを願っています。
そして、このサイトを通してCGに興味を持ってもらったり、
技術を磨いてもらったり、一人でも多くの人に貢献できれば、
このサイトを設立した甲斐があったというものです。

筆者は、今年一級建築士に合格しました。
CGをやる傍ら、設計も疎かにせずようやくここまできました。
不思議なもので、一級建築士の勉強は、実は建築CGパースでも必要になるのです。
光の知識や色の知識等、CGに欠かせない要素は一級建築士にも関係しているのです。
今後は、一級建築士と建築CGパースにおいて必要な知識もこのサイトを通して
新しい分野としてご紹介していきたいと思います。

それでは、良いお年を!