目次
Vray Light
今回はVray Lightについて紹介していきたいと思います。
Vray Lightも解説すると膨大な量になるので、
今回はgeneralを紹介していきます。
以前、Vrayで使うライトの種類を紹介しました。
見てない方はこちらを見てください→「Vrayで使うのライトの種類」
この記事でも紹介はしましたが、
筆者としては、このVray Lightがライトの中で一番扱いやすいです。
では、なぜ扱いやすいのかその理由をVray Lightの機能を通して見ていきましょう。
Vray Light -general-
generalの機能はかなり簡単ですが重要です。
図-1の内容に沿って解説していきます。
①type
typeはVray Lightの形状を選択することができます。
・plane : 形状が長方形のライトです。
・dome : 形状がドーム形状のライトです。HDRIを作成する際に使用します。
・sphere : 形状が球形状のライトです。
・mesh : Vray Lightをオブジェクトに割り当てることができます。
・disc : 形状が円盤状(円形)のライトです。
mesh以外は、形状に関する項目です。
Vray lightを使用する時は、目的にあった形状にする必要があります。
ただ、この中でmeshだけ特別です。
自分が作ったオブジェクトを光らせたい場合は、
この”mesh”を使用します。そのため、meshは特に形状の規定がありません。
(meshは線には割り当てることができません。)
このmeshを使ってオブジェクトに割り当てる方法は最後に紹介します。
②length width
length widthは、①typeで選択した形状の大きさを決定する項目です。
mesh以外はこちらでVray Lightの大きさを変更します。
③units
単位のことです。
単位は、人によってはそんなに気にしない方はいるかもしれませんが、
個人的には大事なことだと思っていますので、少しだけ解説します。
・default(image)
これは私もあまり理解できていません。
単位はないと思います。
カメラで見たときの色の強さを表すようです(よく理解していません)
デフォルトで30が標準です。
直観でやっていますが、最大でも100程度にしています。
・Luminous power(lm)
単位はlmです。これは、”光束”のことです。
光束は、光源から出る光の束のことです。
この単位には面積に関する単位が入っていないので、
オブジェクトの大きさに左右されないのが特徴です。
・Luminance (lm/m²/sr)
これは、”光度”のことです。
光度はカンデラ(lm/㎡)をステラジアンで割ったものです。
単位に面積が関係してくるので、面積(ライトの大きさ)に左右されます。
光束も光度も光に関する単位です。
建築系の私からすれば、これが一番わかりやすい単位の一つです。
・Radiant power (W)
これは、熱の単位です。
よく〇〇ワットの電球と聞いたことがあるかと思うのですが、
その単位がこれです。
luminous powerと同じく、面積に左右されません。
・Radiance (W/m²/sr)
これは、熱の単位を㎡で割って、ステラジアンで割ったものです。
単位に面積が関係してくるので、面積(ライトの大きさ)に左右されます。
【unitsのまとめ】
単位は、普通の人なら億劫になりがちですが、CGをやるうえでは欠かせません。
しかし、少し簡略化して覚えるとすんなり入ってきます。
単位は以下の3通りしかなく、その3つのどれかを使うようにしましょう。
筆者的には、defaultか光束(lm)をお勧めします。
・default:単位のないもの
・luminous power:単位はルーメンで光の強さのこと
・radiant power:単位はワットで、熱の強さのこと
(luminanceとRadianceは、光または熱のそれぞれの面積によって強さが変わる)
ということです。
少しは理解しやすくなったでしょうか。
単位なしか、光か熱か、どの単位でするかを問われているだけです。
そして、luminanceもRadianceもそれぞれ面積によって強さが変わるということだけです。
難しく考えずに簡単に考えるようにしましょう。
④Multiplier
単純に、unitsで選んだ単位の”強さ”です。
unitsでも書きましたが、
luminanceやRadianceは面積とステラジアンで除しています。
なので、luminous powerやradiand powerよりも数値が小さくなります。
⑤mode
colorかtemperatureを選択します。
modeでcolorを選択した場合は、その下にあるcolorの色で
光の色を決定します。
temperatureを選んだ場合は、色を”温度”で決定します。
意味が良くわからないかもしれませんが、これは”色温度”に基づいています。
色温度とは、ケルビン(K)であらわされます。
数値が低ければ、黄色い光になり、数値が高ければ青白い光になります。
数値の参考としては、
白熱球がだいたい2500~3000K、太陽やLEDがだいたい5000Kぐらいです。
ちなみに、ダイニングの照明は夕食をメインとして考えるなら、色温度を低くしたほうが良いです。
夕食時に色温度を低くしたほうがいいのは、夜が近いと錯覚しやすいからです。
夕方にご飯を食べるのに、照明の色が青白かったら無意識に違和感を感じてしまうのです。
ただ、ダイニングを朝食や昼食メインで考えると照明の色温度はもちろん高いほうが良いです。
場所によって色温度を調整するのは好みの問題もありますが、
そういった理由があることを建築CGでは”認識”しておかなくてはなりません。
夕食をイメージしたダイニングのCGなのに、照明の色温度が高ければ、無意識に不自然を感じます。
そういった知識もCGの技術のうちの一つです。
違和感のないCGを作るには、こういった地道な努力が必要なのです・・・。
type – mesh -の使い方
すごく簡単です。
Vray Lightを作成し、typeから”mesh”を選択します。
Vray lightを選択した状態で、修正タブを選択して
“general”の下に”Mesh light”があるので、そこを開いて、
”Pick mesh”をクリックして、光らせたいオブジェクトを選択します。(図-2)
そうすると、オブジェクトがVray Lightになりました。
オブジェクトを選択すると、Vray Lightが選択されたことになっていますので、
そのままVray Lightを調整すると、オブジェクトに反映されます。(図-3)
機能としては、Light materialと同じような役割を担いますが、
Light materialよりはVray Lightのほうが使いやすいと筆者は感じています。
理由は、Vray Lightのほうが細かな設定ができるからです。
状況に応じて使い分けましょう。
まとめ
今回のメインは”単位の話”と”Vray Lightのタイプ”が主な話になったかと思います。
単位の話に加えて色温度による照明の色の話を例を踏まえて解説しました。
個人的にはすごく重要なのでおさえてほしいポイントです。
特に単位と色温度は筆者がものすごく気にするところです。
色温度の知識は、フォトリアルなCGを作るうえで重要になってくるかと思います。
この機会にぜひとも覚えてください。