目次
CGパースを作る前に、いろいろなソフトをみてみよう
建築CGパースを作る時に使用するソフトはたくさんあります。
同じCGパースを作る場合でも、”使用するソフト”によって作業や手順が
変わることもありますし、
作業時間も異なってきます。
たくさんのソフトを経由すればそれだけ手間がかかり
高品質な建築CGパースを作ることもできますが、
不要な作業工程を増やす可能性もあります。
そういった懸念や不満は払拭するために、
建築CGパースをつくる”ソフト”はいったい
どういったものがあるのかを理解していきましょう!
今回は、建築CGパースで代表されるソフトを紹介していきます。
建築CGパースを作るための作業手順
建築CGパースを作成する作業手順(工程)は大きく4つに分類されます。
これは、どこのCG会社やパース屋さんでも変わりません。
下記の4つの作業手順をまずは覚えましょう!
- 作図
- モデリング
- レンダリング
- タッチアップ
上記の4つが基本的な作業手順です。
これら4つの工程の中で、使用するソフトが変わってくる場合が多いです。
(レンダリングとは、モデリングの画像を出力することで、タッチアップは、画像の最終仕上げ作業のことです)
3.モデリングと4.レンダリングは、同じソフトでできることが多いです。
ただ、4.は、Photoshopと呼ばれる画像編集ソフトを使用することがほとんどです。
これらの作業手順とソフトを使いこなして、初めて建築CGパースは完成します。
1.作図
最初の手順は作図です。いわいる図面を書きます。
図面を書くソフトはたくさんありますが、建築で使うものはある程度限られています。
代表的なソフトを簡単にご紹介しましょう。
JW CAD
これは無料で使える作図ソフトです。工務店や建設会社で多く使われています。
意匠設計で使うこともあります。
無料でもかなり高機能なソフトなので、他のソフトに劣らないのがこのjw-CADの良いところです。
ただし、図面をオシャレにしたり、ダイアグラムを作るのには少し不向きです。
また、複雑な建物にも不向きです。
AutoCAD
AutoCADは建築業界で一番使われているのではないでしょうか。大手設計事務所等が使っています。
図面はもちろん、モデリングもこのソフトで行えます。
AutoCADは少し高額なので、AutoCADLTといって、2D図面だけに特化バージョンもあります。
無料ではありませんが、JWCADとは違い、ダイアグラムや図面をオシャレに書いたり、
複雑な建物でも対応可能です。
Vector Works
このソフトも図面だけでなくモデリングもできます。
アトリエ事務所がよく使っています。
ダイアグラム等の作成もできますし、オシャレな図面にもできます。
他にも、ArhciCADやBIM等ありますが、基本的には上記の3つが建築業界では有名です。
今後、このサイトと通して様々な内容を書いていきますが、
筆者はAutoCADを使用しています。理由は他のソフトとの互換性が非常に高いからです。
JWCADも使用していた時期もありますが、作図だけでいうと、すべて高機能だと思います。
2.モデリング
モデリングソフトは、建築業界では特にコレ!というソフトはありません。
どれも素晴らしい特徴を持っています。
選ぶ基準としては、そのソフトの凡例性や関連ソフトで使用したいものがあるかどうか
また、レンダリングソフトと対応しているか等です。
まずは、どのようなソフトがあるかを箇条書きで見てみましょう。
- AutoCAD
- Blender
- Vector Works
- 3dsmax
- Maya
- rhinoseros
- Cinema4D
- shade
- SketchUp
他にも多くあります。どれも建築業界で主流です。
筆者も最初はどれを買っていいかわかりませんでしたが、
現在はAutoCADでモデリングしています。
そして、レンダリングは3dsmaxを使用しています。
理由は3dsmaxとAutoCADは”Autodesk社”が出している関連が高いソフトであることや、
ソフト以外に追加できるプラグインツールが多いからです。
選定の際は、レンダリングとの相性も考えて選ぶとよいでしょう。
3.レンダリング
CGを作る上で、レンダリングが一番重要ではないかと筆者は考えています。
レンダリングとは、モデリングしたものを絵として立体的に見せるようにすることです。
言葉ではわかりにくいかもしれません。
ただ、モデリングしただけではCGとしては完成しません。
レンダリングソフトは下記のようなものがあります。
- Arnold (3dsmax)
- Vray
- shade
- Blender
- maxwell render
- corona render
などなどです。実はもっとたくさんあります。
レンダリングとモデリングは切っても切れない関係にあります。
VrayやMaxwell renderは”プラグイン”となっているので、使用するソフトに対応していれば
他のモデリングソフトでも使用できます。
3dsmaxやShadeではモデリングもできますが、そのソフト専用のレンダリングがあるので
1つのソフトでモデリングからレンダリングまで一貫してできます。
またLumionやアンリアル等、少し特殊なものもありますので、
最後に説明します。
4.タッチアップ(ポストプロダクション)
タッチアップとは、レンダリングで仕上げた画像の色を微調整したり、
空を入れたり、人を加えたり、レンダリングでは表現できないことを
photoshopやlight roomといった画像編集ソフトで作業します。
タッチアップをポストプロダクションとも言います。
タッチアップ作業はほぼ100% Adobe Photoshopを使います。
実際、タッチアップをすると「何をしたらいいかわからない」という人が大勢います。
これは経験がなければ、最初はどのようにすればいいかわからないものです。
コンセプトを重視しするために、強調する部分と作ったり、
レンダリングで入れることができなかった人等を入れる作業もあります。
この”タッチアップ”については、今後このブログを通してご紹介していきます。
(参考:タッチアップとは?)
5.その他ソフトについて
そのほか、細分化していけば、いろいろなソフトがありますが、
「3.レンダリング」の項目で申し上げたソフト以外についてご紹介しましょう。
- Lumion
こちらはモデリング及びレンダリングソフトですが、かなりリアルタイムで
高品質なCGを作ることができます。
あらかじめマテリアルが用意されているため、非常に簡単で高品質です。
普通の作業からすれば1/3程度の時間でCGが作れるでしょう。
またアニメーションも簡単にできるのも非常の良いポイントです。
しかし、より厳密に、より正確に、よりリアルにを考慮すると、
基本的な工程よりは劣ります。
オリジナルのマテリアル等には弱い傾向にあります。
- Unreal Engine(アンリアルエンジン)
アンリアルエンジンはリアルタイムレンダリングです。
通常のCGは静止画ですが、アンリアルエンジンは、
ゲームの中に入るような感覚で、CGの中に入ることができます。
つまりレンダリングする必要がありません。
ゲームのような世界を作ることができます。
プレゼンテーションをする際は効果抜群です。
まとめ
いかがでしたか。
「図面作図⇒モデリング⇒レンダリング⇒タッチアップ」
この工程が最高のCGを作るために必要なことです。
ソフトによってさまざまな違いはありますが、
この工程をマスターできればすべてのことに対応できるでしょう。
またスキルも格段に身に付きます。
筆者は10以上のソフトを使用してCGを作ります。
メインは以下の3つです。
- AutoCAD(作図、モデリング)
- 3dsmax with vray(レンダリング)
- Photoshop(タッチアップ)
この3つはレギュラーメンバーです。
建築の仕事をしていると、他にダイアグラムやアニメーション等も作業することもあります。
それぞれに応じてソフトが異なりますので、
このHPと通して、私が持てるすべてのスキルをここで皆さんに
お披露目し、みなさんのスキル向上に少しでも役立てれば幸いです。
ソフト選びは焦らずに、じっくり時間をかけてしましょう。
今はお試し期間はほぼすべてのソフトにありますので、
自分の目的にあったものを慎重に選びましょう。