目次
Vrayのレンダリングエンジン(GI)
今回はVrayのレンダリングエンジン(rendering engine)について解説したいと思います。
今回は概要編で概要のみ説明いたします。
詳しい内容は別の記事で書きたいと思います。
レンダリングエンジン(GI)を理解できるようになると、
アニメーションに応用できたり、キャッシュを取ることができたり(光の計算を保存すること)
Vray5では、光をレンダリングの後から調整できたりします。
理解をすることは大変ですが、知っていても損はしません。
Vrayのレンダリングエンジンの種類
Vrayのレンダリングエンジンの種類は3つ存在します。
Vrayのレンダリング は、その3つのうち、2つを使用してレンダリングしています。
その3つはそれぞれ特徴があり、建築分野のCGは
概ね使用する2つは決まっています。
まずは、レンダリングエンジン3つを紹介します。
■Irradiance map
イラディアンスマップは、建築では一般的に使われているレンダリングエンジンです。
こちらはレンダリングが早く、ノイズも少ない仕上がりになります。
キャッシュも取ることが可能で、建築分野では、アニメーションに向きますが、
3Dアニメ等キャラクターでのアニメーションは向いていません。
■brute force
ブルートフォースは、レンダリング時間はイラディアンスマップよりも劣りますが、
間接照明が正確です。しかし、ノイズは発生しやすいです。
建築のアニメーションで言えば、イラディアンスマップを使用するほうが多いと思います。
■light cache
ライトキャッシュもirradiance map同様にキャッシュを取ることが可能です。
light cacheは基本的にセカンダリーエンジンとして使用します。
こちらの詳しい内容については、AREA JAPANが詳しく説明してくれていますので、
理解を深めたい方はそちらも参考にしてください。
比較画像も載っていますので、理解しやすいと思います。
プリマリーエンジンとセカンダリーエンジン(primary engine and secondary engine)
上記3つのうち、2つを使用すると冒頭で説明しましたが、
こちらは実は概ねこの2パターンに限られています。
①プリマリーエンジン:Irradiance map
セカンダリーエンジン:light cache
②プリマリーエンジン:brute force
セカンダリーエンジン:light cache
この二つです。筆者の感想としては建築のCGに限っては、①のほうが多いのではないかと推測しています。
ノイズが少ないことと、レンダリングが早いため、好んで建築CGでは使われる傾向にあると思います。
ただ、近年ではbrute forceも負けていません。
レンダリング時間は増え、ノイズも発生しますが、主流はbrute forceになると思います。
なぜなら、Vray5から、レンダリング後にライトの調整ができるようになったからです。
light mixという機能ですが、これが使用できるようになれば、CGでのライティングの効率が上がります。
レンダリング時間を増やしてでも、このlight mix機能は使用する価値は十分にあると思います。
CPU/GPUレンダーとレンダリングエンジンの違い
以前、このブログで「CPUレンダリング/GPUレンダリングとは」でレンダリングについて掲載しました。
(上記記事は誤解のないようにタイトル他文面を修正しております。今まで誤解されてた方々にはお詫び申し上げます)
上記の記事はCPUとGPUの違いの話です。
今回は、それに加えて、レンダリングエンジンの選定を行います。
簡潔に説明するので、まずは図-1をご覧ください。
パソコンのCPUを使うかGPUを使うかの選択をVrayで行います。
さらに、Vrayのレンダリングエンジンの選定をVrayで行います。
つまり、パソコン側のレンダリング方法(CPU/GPU)もVray側のレンダリングエンジンの選定も
両者ともVrayで設定するということです。
※GPUの場合はirradiance mapは使用できません。
まとめ
建築CGパースにおいては、Irradiance map + light cacheか、brute force + light cacheしか使用しません。
Vray5以降では、irradiance mapがなくなり、burte forceとlight cacheしかありません。
そのため、Vray5以前のものを使用している方がいらっしゃったら
今のうちにbrute force+light cacheに切り替えたほうが良いかもしれません。
ともあれ、まずはこの概要を理解しましょう。
かなり先の記事にはなると思いますが、アニメーションの設定(建築のウォークスルー)の際に
このレンダリングエンジンの知識が必要になってきます。
また、ノイズの軽減等も結構重要になってきます。
いかがでしょうか。
筆者にとってもレンダリングはものすごく複雑なもので、
文章での説明がすごく難しいので、しっかりと伝わっていなければ非常に申し訳ない。
概要説明版で今回は説明しましたが、解説版でもう少し踏み込んだ説明をしていきます。
まずは、基本的な知識程度として理解しておきましょう。
youtube
youtubeでもこの記事の内容を解説していますので、
この記事で分からなかった方は
こちらご参照ください。