Vray Mtlのglossiness
今回はGlossinessに特化した内容です。
今までマテリアル全般の中でglossinessに少し触る程度で
具体的には話してこなかったので、この機会に
しっかりとglossinessと向き合ってみたいと思います。
筆者としては、Vray Mtlの中で最も重要なのがReflectだと思っていますが、
次に重要なのがglossinessだと思っています。
さらに、この両者はかなり密接な関係にあるので、
これを機にぜひ理解を深めましょう。
glossinessの数値を比較する
glossinessの調整に慣れてくれば、感覚的に覚えることができます。
今回の記事でその”感覚”を掴んでもらえれば、この記事の書いた意味があります。
では、実際にglossinessを比較していきましょう。
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図-1はglossiness1.0で設定したマテリアルです。(BRDFはPhongです)
天井の照明がクッキリと映っているのが分かります。
ここから、glossinessを0.1づつ下げていくとどのように変化するか見ていきましょう。
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こうして画像を比較してみると、glossinessを下げていくことによって
反射のボケ具合が分かりやすくなったと思います。
glossiness 0.6や0.5はかなりマットな質感になりました。
次にさらにglossinessを0.5からもっと下げたものを見てみましょう。
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glossinessを0.5より下げてみると、思ったほど変化が見られません。
これらの画像を比較してわかる結論をまとめましょう。
・glossinessは1.0~0.5までの間では、質感が光沢→マットに変化していく
・glossinessは0.5以下ではマットな質感に変化は少ない
これらが画像を比較したうえで重要なポイントだと思います。
glossinessの数値を感覚で覚える
glossinessはマスターすれば思い通りの反射のボケ具合を設定することができます。
その第一歩として”glossinessの数値を感覚で覚える”ことをお勧めします。
例えば、今あなたが使用しているマウスはglossinessがいくつだと思いますか?
そのほかキーボードや、モニターのフレームやPCケース等のglossinessはいくつだと思いますか?
そういった身近なものを見て、おおよそのglossinessを日頃から考えることで、
glossinessの数値設定を感覚で覚えられるようになってきます。
筆者が使用しているマウスはだいたいglossinessが0.7ぐらいです。
キーボードは0.55ぐらいです。
そんな感じで身近なもののglossinessはいくつぐらいだろうと予想し、
実際にマテリアルで設定したときの感覚に近ければ、おのずと覚えてきます。
glossinessとBRDFの関係性
前回の記事で「Vrayマテリアルの反射のボカシ具合の調整 – BRDF –」について解説しました。
そこでもお話ししていますが、BRDFはglossinessを密接な関係にあります。
この記事の内容はあくまで、phongやGGXの設定を元に解説しています。
これが、もしblinnやwardといったBRDFの設定を変更していれば、
また結果は異なってきます。
簡単に言えば、BRDF×glossinessの数値=ボケ具合ということになります。
ただ基本的にBRDFの設定はPhongかGGXがデフォルトなので、
Phong or GGX x glossiness=ボケ具合 ということになります。
なので、BRDFの設定を変更すれば、必然的にボケ具合も変わるということですね。
覚えておきましょう。
まとめ
今回はglossinessについて探求した考察を解説しました。
glossinessだけにフォーカスしてもこんなに深いです。
さらにglossinessだけでなくreflectやBRDFにも関係してくることもあります。
建築CGパースはかなり奥が深いですが、非常に面白いです。
自分の思い通りの結果にならないことはほとんどが
自分の想像していない設定が要因だったりします。
glossinessとBRDFはセットで覚えるようにしましょう。